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2020/01/01 00:28

 あけましておめでとうございます。
 お正月なので、おめでたい器を。

 1970年代のデンマークからやってきたカップ&ソーサー『ルーン』。日本でも人気の高いイェンス・クィストゴー(1919〜2008)のデザインです。


 光沢を抑えた風雅なたたずまい。柔らかなグラデーションに白い菱形模様が浮かび上がります。

 この菱形、北欧神話の神さまのしるしなんです。

豊饒の神
平和の王


 古代ルーン文字の「イング」。豊饒の神のシンボルです。

 クィストゴーの祖国デンマークには、豊饒の神が人間の王に姿を変え、平和で豊かな世を治めたという伝説が残っています。ルーン占いでは「過去の悩みから解き放たれ、新しい人生をはじめる」という意味もあるそうです。

 北欧で「豊饒」を表す菱形は、日本でも五穀豊穣を表す縁起の良いかたちなんですよ。菱形の語源をご存じですか。この水草です。

水辺で生まれた
繁栄のシンボル


 
葉の下に尖った実がついていますね。なるほど菱形に見えます。

 万葉集の時代から食用として親しまれていた菱は、栗のような味がするため英語圏でも water chestnut と呼ばれています。驚くのはその繁殖力で、かつては日本全国の水辺に群生していました。公家装束や家紋に好まれた菱形文様には子孫繁栄の願いが込められていたのかもしれません。

 そして何と。古代北欧の水辺にも菱が繁茂していたそうです。ルーン文字のかたちが菱の実から来たものかどうかはわかりませんが、ちょっとロマンですね。

 2020年が平和と豊饒の年でありますように。

※同シリーズの17cm皿もございます。





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