2023/10/09 12:00
![](https://assets.st-note.com/img/1696768920347-CSA7PeXdX7.jpg)
あたたかい飲み物が恋しい季節になりました。
秋の夜長や冬のコーヒータイムにおすすめしたいのが、1972年から1974年にかけてスウェーデンで作られたこちらのヴィンテージカップ。
![](https://assets.st-note.com/img/1696768948275-gEezBLBDoq.png)
作品名は《Turtur》。
日本ではチュールチュールと呼ばれています。
英語の発音はテューター、トゥーターが近いかも。
鳥たちと草花を温かみのあるグリーンと濃いブラウンで描いた、スティグ・リンドベリの後期の代表作のひとつです。
![](https://assets.st-note.com/img/1696769002840-hR3sDSzwCs.jpg)
チュールチュールはキジバトのこと。
キジバトといえば、あの独特の鳴き声ですよね。
早朝の木立や茂みの奥からドゥドゥワーッポポー。
あれ、恋の囁きだったりするそうです。
ヨーロッパキジバトは渡り鳥で、北欧の人々にとっては短い夏を告げる使者でもあります。秋になるとアフリカ大陸へ旅立ち、翌年の夏に再び飛んで来るのです。
・ ・ ・ ・ ・
リンドベリがカップに描いたキジバトは、頭に花飾りをつけたおしゃれな装い。ソーサーにカップを置くとまるで草の上に舞い降りたようです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118364429/picture_pc_dddc556d705e9cfcc6a21cd73783291f.gif)
・ ・ ・ ・ ・
チュールチュールのデザインを手がけたリンドベリは、もしかしたら南国への思いを強くしていたのかもしれません。1971年にデザインしたタヒチ(Tahiti)シリーズでも彼は、南半球の島の生命力あふれる花々を描いています。
![](https://assets.st-note.com/img/1696769076494-MOcQAD31Wg.png)
そんな思いを募らせていたのでしょうか、リンドベリ自身も南へ移住します。
長年勤め上げたグスタフスベリ社を定年退職した1980年、イタリアへ。
![](https://assets.st-note.com/img/1696769108319-PZrB56MDSJ.png)
ローマからほど近いサン・フェリーチェ・チルチェーオ(San Felice Circeo)は、地中海を見下ろす静かな町でした。
・ ・ ・ ・ ・
大切な人と過ごす秋の夜長に。
クリスマスの季節のおもてなしに。
穏やかな南風を運んでくれるリンドベリのカップはいかがですか。