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2023/10/09 12:00


 あたたかい飲み物が恋しい季節になりました。


 秋の夜長や冬のコーヒータイムにおすすめしたいのが、1972年から1974年にかけてスウェーデンで作られたこちらのヴィンテージカップ。



 作品名は《Turtur》。
 日本ではチュールチュールと呼ばれています。
 英語の発音はテューター、トゥーターが近いかも。


 鳥たちと草花を温かみのあるグリーンと濃いブラウンで描いた、スティグ・リンドベリの後期の代表作のひとつです。


(1967年頃のスティグ・リンドベリとリサ・ラーソン)

 チュールチュールはキジバトのこと。
 キジバトといえば、あの独特の鳴き声ですよね。
 早朝の木立や茂みの奥からドゥドゥワーッポポー。
 あれ、恋の囁きだったりするそうです。


 ヨーロッパキジバトは渡り鳥で、北欧の人々にとっては短い夏を告げる使者でもあります。秋になるとアフリカ大陸へ旅立ち、翌年の夏に再び飛んで来るのです。


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 リンドベリがカップに描いたキジバトは、頭に花飾りをつけたおしゃれな装い。ソーサーにカップを置くとまるで草の上に舞い降りたようです。

 キジバトは turtle dove とも呼ばれ、西洋では愛し合うカップルの象徴として描かれてきました。クリスマスキャロル『クリスマスの12日間』やジャズの名曲 『バードランドの子守歌』の歌詞にもつがいのキジバトたちが登場します。


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 チュールチュールのデザインを手がけたリンドベリは、もしかしたら南国への思いを強くしていたのかもしれません。1971年にデザインしたタヒチ(Tahiti)シリーズでも彼は、南半球の島の生命力あふれる花々を描いています。



 そんな思いを募らせていたのでしょうか、リンドベリ自身も南へ移住します。
 長年勤め上げたグスタフスベリ社を定年退職した1980年、イタリアへ。



 ローマからほど近いサン・フェリーチェ・チルチェーオ(San Felice Circeo)は、地中海を見下ろす静かな町でした。


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 大切な人と過ごす秋の夜長に。
 クリスマスの季節のおもてなしに。
 穏やかな南風を運んでくれるリンドベリのカップはいかがですか。


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