2022/10/12 18:01
読書の秋。趣向を変えてこんなひとときはいかがですか。
ご紹介するのは本ではなく、物語のひとコマのような絵皿や陶板。眺めていると登場人物たちの話し声が聞こえてきそうなヴィンテージ品を集めてみました。
港町の小皿
Paul Høyrup 作|デンマークコペンハーゲンのニューハウンは童話作家アンデルセンも住んでいた港湾地区。潮風の広場を人々や馬車が行き交い、入り江に多くの船が集まるようすが深緑の線で端正に描かれています。ポール・ホイラップは旅情をさそう景色を描くのが得意なアーティストでした。
本来はデミタスカップを載せるソーサーですが、絵柄がとてもかわいいのでちょっとした小物やお菓子を載せても楽しそうです。
リュート弾きの三角皿
Inger Waage 作 |ノルウェー丸味を帯びた三角形の皿にリュートを演奏する男性が描かれています。音色に合わせてそよぐ庭の草花たち。青い鳥が一羽舞い降りてきましたよ。
奏者の穏やかなまなざし、さらさらの髪、おしゃれな柄のズボン。インゲル・ヴォーゲの描く線はひとつひとつが優しいのです。おや、このリュート弾き、左利きですね。
魚売りの絵皿
Turi Gramstad Oliver 作 |ノルウェー獲ってきた魚を埠頭に並べて売る漁師。向こうから三人のご婦人が買い物カゴを提げてやって来ました。トゥーリ・グラムスタッド・オリヴァーが描く女性たちはみんなおしゃれ。よく見るとおじさんの長靴や沖合の船もかわいいです。
ノルウェーの魚市場はきょうもお天気。潮の香りが伝わってきます。
冬の旅の絵皿
Rut Bryk 作 |ドイツ どこまでも連なるなだらかな丘に針葉樹や裸木が点在しています。中央には葉を生い茂らせた大木が一本。まるでそこだけ季節を超越したような不思議な存在感です。この木をめぐる物語を静かに空想したくなります。
ルート・ブリュックが冬の旅と名づけたこのシリーズは、花瓶から塩胡椒入れまで大小さまざま。白く淡い冬景色のどこにも人は登場しませんが、なぜか旅人の気配を感じさせる絵柄です。
ルート・ブリュックが冬の旅と名づけたこのシリーズは、花瓶から塩胡椒入れまで大小さまざま。白く淡い冬景色のどこにも人は登場しませんが、なぜか旅人の気配を感じさせる絵柄です。
漁師の大皿
Åke Holm 作 |スウェーデン古代風のローブをまとった髭面の男がずっしり重そうな二匹の魚を肩に担いでいます。陶芸家オーケ・ホルムは漁師を好んで描きました。彼の作品は聖書のモチーフが多く、この漁師もイエズスの弟子を描いたものかもしれません。また、小さな漁村だったオーケの故郷、ヘガナスへの郷愁を重ね合わせているようにも思えます。
卵が小さく見える51cmの大皿です。裏面に壁掛け用の針金が付いています。
象の陶板
Lisa Larson 作|スウェーデン豪華な飾り布をまとった象が人を載せて運んでいます。服装から察するに左の二人は王族、右は象使いでしょうか。幾何学模様風なのに人物のディテールが生き生きと見えてくるあたり、さすがリサ・ラーソンです。
思わず触れてみたくなるリズミカルで楽しいレリーフ。リサの陶板は指でなぞって楽しめる絵本のようです。
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お茶とお菓子で北欧風のフィーカのひとときを楽しみながら、絵本のような絵皿と陶板を鑑賞してみませんか。
※以前ブログでご紹介したこちらのパーティーセットもおすすめ。テーブルに並べればサーカス一座の絵柄を囲んで話が弾みそうです。