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2023/06/22 12:00


 2023年はライヤ・ウオシッキネンの生誕100年。

 彼女はフィンランドのArabia社の隆盛を支えた陶芸デザイナーで、その作品は北欧のみならず世界の食卓で愛されてきました。


 こちらのカップ&ソーサーは1980年代に作られたKoralli(コラーリ)シリーズ。ぽってりと優しい筆さばきで花の絵が大胆に描かれています。コラーリは珊瑚の意味。なるほど言われてみればピンクっぽいですね。

 珊瑚色を検索するとこういうあでやかなピンクがヒットしますが、


 ライヤのコラーリはもっと淡くくすんでいます。

 しいていえばピンクベージュとか。


 その日の気分でピンクに見えたり、淡いベージュに見えたり。コラーリは使う人の心を占ってくれる花なのかもしれません。

 ライヤ・ウオシッキネンと聞くと、北欧好きの人はまず彼女の繊細なイラストを思い浮かべるでしょう。たとえば以前Kogmasのブログでもご紹介した《エミリア》シリーズ。


 こちらはフィンランド神話を描いた《カレワラ》シリーズのイヤープレート。


 細い線の一本一本がくっきりと美しく、迷いがありません。

 下のイヤープレートは色づかいにもご注目。ほの暗いフィンランドの冬の森をブルーグレーの濃淡で巧みに表現しています。

 彼女は色選びの達人でもありました。

 こちらは《スヴァント》シリーズ。
 消え入りそうな淡い青に濃いブラウンを合わせたセンスに脱帽です。

 《ルイヤ》シリーズの木の葉は、グレーにも緑にも見える色で描かれています。

 使う人にそっと寄り添ってくれるような優しい中間色で描かれた名作の数々。
 写真左の女性がライヤ・ウオシッキネンです。

 右の女性は同期で仲良しだったエステリ・トムラ。エステリもまたアラビア社で人気商品を多く手がけたデザイナーでした。


 コラーリのカップをじっと眺めていたら、ミルクココアを注いでみたくなりました。そういえばココアもほんのりピンクっぽいですよね。

 コーラルピンク。
 スモーキーピンク。
 ピンクベージュ。
 ミルクココアピンク。

 コラーリの花を何色と呼ぶかは、ご愛用の皆さまにおまかせします。


 癒やしの中間色をあなたも生活に採り入れてみませんか。




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