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2026/04/04 11:29


にこやかなフィギュリンが勢ぞろい。
この人たち、みんな家族です。


スウェーデンの老舗ガラスメーカー Kosta Bda(コスタボダ)は、全15種類のフィギュリンコレクションFamilijen(家族)を、1970年から1984年まで毎年1作品ずつ発売しました。


デザインを手がけたのはGöran Wärff(ヨーラン・ヴァルフ)とAnn Wärff(アン・ヴァルフ)。夫のヨーランが作ったさまざまなフォルムのガラスに、妻のアンが個性豊かなキャラクターたちを金・黒・白で軽やかに描いています。


まるでガラスのチェスの駒のような「大家族」はコレクターズアイテムとして人気が高く、次はどんな家族が仲間に加わるか、北欧の人々は毎年心待ちにしていたのです。


家族のメンバーを順にご紹介しましょう。


シリーズ1作目、1970年。
花柄の洋服を着て微笑むお母さん(Mor)


優しさの中に強さを感じさせる微笑み。貫禄ありますね。



シリーズ2作目、1971年。
ひげと帽子がよく似合うお父さん(Far)


シリーズの中で一番背が高く、お母さんの隣に並べると良いコンビです。



シリーズ3作目、1972年。
Lars(ラーシュ)とLisa(リサ)。 
夫婦には双子の赤ちゃんがいたのです。


見分けがつきませんが、底面にそれぞれの名前が刻まれています。



シリーズ4作目、1973年。
コスタの町のお嬢さん(Miss Kosta)
長い髪とドレスをマーガレットのような白い花で飾った女性。


彼女も家族の一員でしょうか。
ガラス工房の町コスタで働く女性を象徴しているともいわれます。



シリーズ5作目、1974年。
ロージー叔母さん(Aunt Rosy)
おめかしして、お気に入りの帽子でお出かけかな。


少ない線と点で軽やかに描かれた表情は、日本のこけしにも通じる素朴さや温かみも感じさせてくれます。



シリーズ6作目、1975年。
かわいいおじいちゃん (Grandfather)


近世ヨーロッパの紳士のようなひだ襟にマントと帽子。まるでご先祖さまのコスプレを楽しんでいるようなおじいちゃんです。



シリーズ7作目、1976年。
ダーリン(Darling)、いとしい人。


あどけなさの残る笑顔で何か語りかけようとしているように見えます。



シリーズ8作目、1977年。
ビル叔父さん(Uncle Bill)
カウボーイハットがキマってます。


当時北欧で大ヒットしたコメディー映画がヒントになっているようです。アメリカ帰りの叔父さんをめぐる騒動を描いた『Onkel Bill fra New York』(1959年)。主演はデンマークの喜劇王ディルク・パッサーでした。


ガラスのビル叔父さんは、ヒゲをたくわえ、真顔なのにどこかとぼけた感じの表情です。



シリーズ9作目、1978年。
うちの猫(House Cat)
りりしい顔立ちに、金色の鈴の首輪がお似合いです。


家族に動物が加わりました。
頼もしそうな猫ちゃんは家族を守ってくれそうです。



シリーズ10作目、1979年。
赤ずきんみたいなおばあちゃん(Grandma)


ふっくらと着込んで暖かそう。「えっ、お孫さんがいるの!?」と驚かれそうな若々しい笑顔です。



シリーズ11作目、1980年。
優しい目をした、うちの犬(Family Dog)


北欧ではレトリバーのような大型犬が人気。この垂れ耳のワンちゃんもそうかもしれません。



シリーズ12作目、1981年。
帽子をかかぶったスキーヤー(Skier)
両手にストックを持ち、ご機嫌そうです。


伝説のスキー選手インゲマル・ステンマルクがレークシッド五輪で金メダルを取ったのが1980年でした。当時のスキー人気を反映した作品かもしれません。



シリーズ13作目、1982年。
さわやかなテニス選手(Tennis Player)
楽しそうな表情は女性にも男性にも見えます。さすがジェンダーフリー先進国。


スウェーデンはテニスが盛んな国で、1980年代はビョルン・ボルグやステファン・エドベリ選手が世界的に活躍していました。



シリーズ14作目、1983年。
フィドル叔母さん(Aunt Fiddle)
夏至祭でダンス音楽を演奏するのかな。


演奏する楽曲がクラシックなら「バイオリン」、フォークやカントリーなら「フィドル」と呼びます。彼女が演奏してくれるのはポルスカ(スウェーデンの伝統的なダンス音楽)でしょうか。


さあ、次はいよいよシリーズ最後の作品。
どんな家族が登場するのかな・・・



シリーズ15作目、1984年。
平和の年(Freds året)
白い鳩を大切そうに抱いています。


親族やペットや同時代の人々が作られてきたシリーズの最終作は、平和の象徴でした。微笑む人が両手でそっと鳩を抱いています。東西冷戦の緊張感の中で安定を保っていた当時の北欧諸国の姿勢がうかがえる作品。平和への願いは現代の私たちも変わりません。


アンとヨーラン夫妻の15年越しのプロジェクト『家族』コレクションは、お母さん(1970年)から始まって平和(1984年)で幕を閉じました。家族の笑顔が町の人へ伝わり、やがて国中へ、世界へ広がっていく。そんな愛に満ちたコレクション。半世紀経った今も人気のコレクターズアイテムです。


お気に入りの作品を並べて飾るも良し。
ペーパーウェイトとして使うも良し。


あなたなら、お手元にどの家族を置きたいですか?

(写真をクリックするとそれぞれの商品ページへ飛べます)


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